エネルギーに変換されやすい炭水化物、末梢神経の循環をよくするビタミンEや漢方薬で予防に努める

下山したら医療機関へ

体の組織が凍り、内部に氷の結晶ができた状態を「凍傷」といい、血液の循環が悪い手足の指先、鼻先、頬、耳によく起こります。凍傷は、傷害が皮膚と皮下組織でおさまる表在性のものと、筋肉や骨までの深い組織に達するものがあります。

凍傷は症状によって4段階に分類され、3度以上で切断手術が必要な場合があります。受傷後、約3週間後に壊死部の境界がわかります。凍傷になると、その後、同じ部位が凍傷になりやすくなるので、注意が必要です。

予防法としては、低体温症にならないようにすることが第一です。それから手足の先、耳、頬、鼻などの保湿に努めましょう。血行が悪くなると凍傷に罹りやすくなるので、手袋や靴紐などをきつく締めすぎないようにしましょう。また、手袋や靴下がぬれた場合にはすぐに履き替えます。

ピッケルなどの金属を持つ場合、意識的に指先を動かして、血行が悪くならないように気を配ります。エネルギーに変換されやすい炭水化物を十分に摂りましょう。末梢神経の循環をよくするビタミンEのサプリメントや漢方薬の「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」などもとるとよいでしょう。糖尿病患者は凍傷を起こしやすいので注意が必要です。

凍傷になってしまったら、できるだけ早く対処することが大切です。まず、手袋や靴紐など締め付けているものを取り除きます。お湯を沸かして、40〜42℃のお湯で20分以上温めます。素後、ガーゼやタオルで温湿布しておきましょう。凍傷になると感覚が鈍っているので、焚き火に当たるのは火傷の危険性があります。火傷して水泡ができると、感染を起こしやすくなるので、破らないようにしましょう。

下山した後は医療機関を受診します。軟膏としてステロイド、プロスタグランジン(血管拡張作用)、ヒルドイド、内服薬としてトランサミン(抗出血・抗炎症)、ビタミンE(末梢循環改善)、抗生物質などが投与されます。

Copyright© 2012 山岳遭難を未然に防ぐ回避術 Allrights reserved.